なんとか中学を卒業する目処がたった娘は、出席日数のリスクを回避し、受験を
する為に塾に通い始めました。幼少の頃からいつも気づけば画用紙に絵を描いてい
た娘は、当然のように美術科を選択。
リスクはあるものの、心から合格を願うと同時に、私は、乳がんが新たに
左乳房に見つかったことで、全摘手術を受け、抗がん剤を4回投与、
病院と実家での交互療養を行い、副作用と付き合いながら、学校へは、必要な時に
出向くようになっていました。これまで見ない程、毎日勉強に打ち込む娘の姿は、
私の治療へのチャレンジを後押ししてくれました。しかし・・・・・・・・
専願生として受験をした娘は不合格。それでも、一般の受験にも再チャレンジ
しましたが、リスクの壁は、思ったより高く、切なる願いは叶いませんでした。
これは娘の大きな最初の挫折となりました。
あの時、娘が流した大粒の涙を私は、忘れることができません。
そして、母としての不甲斐なさを思い、努力すれば夢は叶う!
そんな体験になればとおぼろげながら願っていた母娘の夢は儚く
消えて行きました。